転職の自己分析は何を書けばいい?特別な実績がなく、自分の強みがわかりません。
転職の自己分析では、最初から立派な強みを考える必要はありません。任された仕事・工夫したこと・感謝されたこと・負担が大きかったことの4つから、実際の経験を書き出しましょう。
この記事では、仕事の経験を整理する表と職種別の例を使い、得意・苦手を見つける手順を紹介します。整理した内容を、仕事選びや応募書類に使う方法まで説明します。
転職の自己分析で最初に書く4項目
1.任された仕事
「事務職」「接客業」のような職種名だけでなく、実際に担当した作業を書きます。担当期間、頻度、対応する相手、使用ツールもわかる範囲で添えてください。
- 電話やメールでの問い合わせ対応
- 受注入力、売上データの集計、資料作成
- 在庫確認、発注、商品の陳列
- 新人への業務説明、引き継ぎ資料の作成
大きな成果が出た仕事だけでなく、毎日続けてきた業務も対象です。まずは最近担当した仕事を1つ選びましょう。
2.仕事で工夫したこと
次に、困りごとに対して自分が考え、行動したことを振り返ります。「問題→行動→結果」の順に書くと整理できます。
例えば「資料を丁寧に作った」なら、何をどう確認したのかを具体化します。「数字の転記漏れを防ぐため、提出前に元データと照合した」なら、自分の行動が伝わります。
結果が数値でわからない場合は、作業の流れがどう変わったかなど、説明できる事実を書いてください。
3.周囲に感謝されたこと
自分では当たり前と思っていた行動が、周囲を助けていた場合もあります。「説明がわかりやすかった」「引き継ぎが助かった」と言われた場面を思い出してみましょう。
言葉だけでなく、誰に、何をして、どのような反応があったかを残します。感謝された経験が思いつかなくても、ほかの項目から整理を進めて構いません。
4.負担が大きかったこと
苦手な仕事だけでなく、負担が増えた状況も書きます。「電話が苦手」なら、電話全般なのか、情報がないまま急いで答える状況なのかを分けてください。
仕事内容・仕事量・進め方・環境を区別すると、職種を変えたいのか、働く環境を変えたいのかが見えやすくなります。
経験の棚卸し表と職種別の記入例
1つの業務を表にまとめる
次の表をノートやメモアプリに写し、思い出せる項目から記入してください。空欄があっても問題ありません。
| 整理する項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 担当した仕事 | 業務名・期間・頻度・使用ツール |
| 困っていたこと | 改善したかった問題や状況 |
| 自分の行動 | 工夫した点と、その理由 |
| 結果・周囲の反応 | 実際に確認できた変化 |
| 得意・苦手の手がかり | 取り組みやすかった点と負担だった点 |
事務職の記入例
以下は書き方を説明するための架空の例です。実際の職歴に置き換えて使ってください。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 担当した仕事 | 取引先の問い合わせ対応、受注入力 |
| 困っていたこと | 過去の回答を探すのに時間がかかっていた |
| 自分の行動 | 問い合わせの種類と回答を一覧に整理した |
| 結果・反応 | 新人への説明にも使われ、確認しやすいと言われた |
| 手がかり | 情報整理は得意。急な依頼が重なると優先順位に迷う |
この例からは、情報をまとめる行動が見つかります。ただし、1つの経験だけで「自分は必ずこの職種に向いている」と決める必要はありません。ほかの業務でも似た行動をしていたか確認します。
接客・製造などの仕事でも整理できる
事務作業以外でも、仕事の中での工夫を材料にできます。次も架空の例であり、職種ごとに必ず当てはまる特徴ではありません。
| 仕事の例 | 振り返る行動 | 強みの候補 |
|---|---|---|
| 接客・販売 | 商品の使い方を聞いてから案内した | 相手の要望を確認する力 |
| 製造・検品 | 作業前後に確認する項目をそろえた | 手順を守り、確認する力 |
| 倉庫・物流 | 引き継ぎ時に未完了の作業を共有した | 進捗を伝え、連携する力 |
「確認する」「説明する」「調整する」など、職種が変わっても使える行動に注目しましょう。実際に担った仕事の範囲を超えて、成果を大きく見せる必要はありません。
得意・苦手の共通点を探す方法
複数の経験に共通する行動を見る
業務を2〜3件振り返ったら、繰り返し出てくる行動を探します。資料整理と引き継ぎで同じように工夫していたなら、「情報を相手が使いやすい形にまとめる」という共通点が見つかるかもしれません。
強みの候補が見つかったら、具体的な出来事で説明できるか確認します。「責任感がある」だけで止めず、何を任され、どう対応したかを書き添えましょう。
得意なことと続けたいことは分ける
上手にできる仕事でも、負担が大きく、今後は続けたくない場合があります。反対に、まだ経験が少なくても挑戦したい仕事もあるでしょう。
「できること」「続けたいこと」「これから身につけたいこと」を別々に整理すると、得意という理由だけで仕事を選ぶのを避けられます。
転職するか自体に迷っている場合は、今の会社への不満と希望を分ける整理方法も参考にしてください。
無料の自己診断ツールを補助として使う
厚生労働省のjob tagの自己診断ツールでは、仕事への興味や価値観などから職業を探せます。
診断結果は、仕事を考える手がかりです。表示された職業が必ず向いていると決めず、仕事内容や必要な経験を調べ、自分の棚卸し結果と照らし合わせましょう。
自己分析を仕事選び・自己PR・職務経歴書につなげる
仕事選びでは希望条件に置き換える
「予定を立てて作業する方が集中しやすい」なら、仕事の進め方や突発対応の頻度を確認項目にできます。自己分析の結果を、求人や面接で調べられる条件へ変えていきましょう。
給与や休日などの希望も含めた整理は、転職の軸と希望条件の優先順位の決め方で解説しています。
自己PRは強み・行動・結果の順でまとめる
自己PRでは、強みを一言で示し、具体的な業務と自分の行動で裏付けます。以下は先ほどの架空の事務職の例を使った文章です。
私の強みは、情報を整理して周囲が使いやすい形にまとめることです。問い合わせ対応では、過去の回答を確認しにくい課題があったため、問い合わせの種類と回答を一覧にしました。この資料は新人への説明にも活用され、確認しやすいという反応がありました。応募先でも、業務の正確さと円滑な引き継ぎに生かしたいと考えています。
応募先での生かし方は募集内容に合わせて調整し、経験していない行動や数字は加えないようにしましょう。
職務経歴書では業務の範囲を明確にする
担当業務・期間・使用ツール・自分の役割を整理します。棚卸しのすべてを載せるのではなく、応募する仕事に関係する経験を選びます。
書類の基本は、ハローワークの職務経歴書作成資料で確認できます。
自己理解を深める参考書籍
八木仁平さんの『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』は、やりたいことを考えるための自己理解を扱う書籍です。経験を書き出した後、自分の興味や価値観も整理したい方の候補になります。
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』を出版社で確認する
まずはこの記事の表や無料ツールで取り組み、さらに考え方を深めたい場合に書籍を検討するとよいでしょう。
まとめ|最近の仕事を1つ書くところから始める
自己分析は、性格や強みを最初から決める作業ではありません。実際の経験を整理し、行動の共通点や負担の大きい状況を確かめることから始めましょう。
- 任された仕事・工夫・周囲の反応・負担を振り返る
- 複数の経験から、繰り返し出てくる行動を探す
- 得意なことと続けたいことを分ける
- 求人の確認項目や、応募書類で伝える経験に変える
次に何を準備するか迷ったら、在職中に進める転職活動の全体の流れを確認してください。