「転職の自己分析は何を書けばいいのだろう」「自分の強みがわからないけれど、どうやって見つければいいのかな」。
転職活動を始めようと思っても、自己分析の進め方がわからず、手が止まってしまう方もいるかもしれません。
これまでの仕事を振り返っても、特別な実績が思い浮かばないと、自分にはアピールできる経験がないと感じてしまいますよね。
しかし、転職の自己分析では、最初から立派な強みや実績を見つける必要はありません。
まずは過去の業務を振り返り、任された仕事・工夫したこと・周囲に感謝されたこと・負担が大きかったことを書き出してみましょう。
普段の仕事で当たり前に行っていたことにも、自分の得意なことや大切にしている考え方が表れているかもしれません。
この記事では、転職の自己分析で何を書けばいいのか、具体的な記入例を交えて解説します。経験の棚卸しから得意・苦手の整理まで、初めての方でも取り組みやすい方法を紹介しますね。
▶本記事の概要
- 転職の自己分析は何を書けばいい?最初に整理したい4項目
- 過去の業務から経験・得意・苦手を整理する方法
- 自己分析の結果を転職の軸・自己PR・職務経歴書に生かす
- まとめ
転職の自己分析は何を書けばいい?最初に整理したい4項目
転職の自己分析とは、これまでの経験や自分の得意・苦手を振り返り、今後どのような仕事をしたいのか考えるための作業です。
就職活動で自己分析をした経験があっても、転職活動では何を書けばいいのか迷うこともあると思います。
転職の場合は、実際に働いた経験を振り返れることが特徴ですね。
過去の業務をもとに考えると、抽象的な性格の分析だけでなく、仕事で発揮してきた自分の特徴を整理しやすくなります。
まずは、次の4項目から始めてみましょう。
- 任された仕事:これまで担当した業務や役割
- 工夫したこと:仕事を進めるために考えて行動したこと
- 周囲に感謝されたこと:同僚や上司などから評価された行動
- 負担が大きかったこと:苦手に感じた業務や働き方
1.任された仕事を振り返る
最初は、これまで担当してきた仕事を書き出します。
「事務職として働いていた」「接客を担当していた」といった職種名だけでなく、日々行っていた業務も思い出してみてください。
- 電話やメールでの問い合わせ対応
- 売上データの入力や資料作成
- 商品の在庫管理や発注業務
- 新人への業務説明や作業の確認
- 取引先との連絡や日程調整
最初は簡単な箇条書きでも構いません。担当した期間や仕事の頻度も思い出せる範囲で記載すると、経験の棚卸しを進めやすくなります。
大きな成果だけでなく、毎日続けてきた仕事にも目を向けたいですね。
2.仕事で工夫したことを思い出す
次は、仕事を進めるうえで自分なりに工夫したことを考えてみましょう。
例えば、資料を作成するときに確認項目を一覧にしたり、問い合わせへの対応方法をメモにまとめたりした経験はありませんか。
特別な改善活動でなくても、日々の業務で考えて行動したことは振り返る材料になります。
「どのような問題があったか」「何を工夫したか」「その結果どうなったか」の順番で整理すると、行動を具体的に説明しやすくなると思います。
3.周囲に感謝されたことを書き出す
自分の強みがわからないときは、周囲から感謝された経験も思い出してみてください。
例えば、次のような出来事が考えられます。
- 新人に仕事を説明したら、わかりやすいと言われた
- 忙しい同僚を手伝ったら、感謝された
- 資料を見やすく整理したら、確認しやすくなったと言われた
- 問い合わせに丁寧に対応したら、お礼を言われた
自分にとって当たり前の行動でも、周囲にとっては助かる行動だったのかもしれません。
感謝された内容だけでなく、自分が具体的に何をしたのかも一緒に書いておくと、後から振り返りやすいですね。
4.負担が大きかった仕事も整理する
自己分析では、得意なことだけでなく、苦手に感じた仕事も整理してみましょう。
例えば、人前で発表することが苦手でも、一対一で相手の話を聞くことには負担を感じない場合があります。
また、仕事内容そのものが苦手なのではなく、仕事量や勤務時間によって負担が大きくなっている可能性もあるでしょう。
苦手なことを書き出すときは、「どのような場面で負担を感じたのか」まで具体的に考える方法があります。
自分に合う働き方を考えるための材料として、無理なく整理してみてくださいね。
過去の業務から経験・得意・苦手を整理する方法
4つの項目を確認したら、次は実際に過去の業務を書き出してみましょう。
転職の自己分析では、最初から自分の長所を決めるのではなく、具体的な経験を集めてから共通点を探す方法が取り組みやすいと思います。
ここでは、次の流れで進めていきます。
- 経験の棚卸し表を作成する
- 記入例を参考に自分の経験を書き出す
- 経験から得意・苦手の共通点を探す
- 無料の自己診断ツールを補助として使う
経験の棚卸し表を作成する
まずは、ノートやパソコンに次のような表を作ってみてください。
担当した業務ごとに、任された仕事・工夫したこと・周囲に感謝されたこと・負担が大きかったことを整理します。
| 整理する項目 | 書き出す内容 |
|---|---|
| 任された仕事 | 担当した業務や役割 |
| 工夫したこと | 仕事を進めるために考えたことや行動 |
| 感謝されたこと | 周囲から感謝された行動や出来事 |
| 負担が大きかったこと | 苦手に感じた業務やその理由 |
最初からすべての項目を埋める必要はありません。
思い出せるところから記入し、別の仕事を振り返るうちに新しい経験が見つかったら追加していきましょう。
在職中で時間が取れない方は、1日1つの業務を書き出す方法でも進められますね。
記入例を参考に自分の経験を書き出す
実際にどのように書けばいいのか、事務職として働いている架空の人物を例に紹介します。
自分の経験を振り返る際の参考にしてみてください。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 任された仕事 | 取引先からの問い合わせ対応、受注データの入力、資料作成 |
| 工夫したこと | 問い合わせ内容を一覧にまとめ、過去の対応を確認しやすくした |
| 感謝されたこと | 新人から、問い合わせへの対応方法がわかりやすいと言われた |
| 負担が大きかったこと | 急な依頼が重なると、業務の優先順位を決めることに時間がかかった |
この記入例では、問い合わせ内容を整理した経験や、新人への説明を通して感謝された経験が見つかりました。
一方、急な依頼が重なる場面では負担を感じていたこともわかります。
ここから、情報を整理することや相手に説明することが得意なのかもしれない、と考えられますね。
ただし、1つの経験だけで自分の得意・苦手を決める必要はありません。別の業務も振り返りながら、似た経験がないか探してみましょう。
経験から得意・苦手の共通点を探す
複数の業務を書き出したら、似ている行動や負担を感じる場面がないか確認します。
例えば、次のような共通点が見つかるかもしれません。
- 資料作成やデータ整理を任されることが多い → 情報を整理することが得意
- 新人への説明で感謝されることが多い → 相手に合わせて説明することが得意
- 急な予定変更が重なると負担を感じる → 事前に予定を組める環境を好む
- 一人で作業する時間が長いと集中しやすい → 落ち着いて取り組める環境が合っている可能性がある
ここで大切なのは、得意・苦手を性格だけで判断しないことです。
例えば、「人と話すことが苦手」と感じていても、相手の話を聞いたり、一対一で説明したりすることは得意な場合があります。
どのような仕事や場面で自分の力を発揮できたのかを考えると、強みを具体的に整理しやすくなるでしょう。
また、苦手なことは必ずしも直さなければならないものではありません。
負担を感じる場面がわかれば、自分が働きやすい環境や仕事の進め方について考える材料にもなりますね。
無料の自己診断ツールを補助として使う
過去の経験を振り返っても、自分の得意なことや興味がわからない場合は、無料の自己診断ツールを利用する方法もあります。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、仕事に対する興味や価値観などから職業を探せる自己診断ツールが用意されています。
例えば、職業興味検査や仕事価値観検査などを通して、自分が仕事で大切にしたいことを考えられます。
詳しい利用方法は、job tagの使い方はこちらから確認できます。
ただし、診断結果だけで自分に合う仕事が決まるわけではありません。
これまでの経験や希望する働き方と照らし合わせながら、自己分析を進めるための補助として活用するとよいでしょう。
診断結果に気になる職業が表示されたら、なぜ興味を持ったのか、自分の経験と共通する部分があるのかをメモしてみてくださいね。
自己分析の結果を転職の軸・自己PR・職務経歴書に生かす
過去の業務から経験・得意・苦手を整理できたら、転職活動でどのように生かせるか考えてみましょう。
自己分析は、自分の特徴を知るだけでなく、応募する仕事を選んだり、これまでの経験を説明したりする際にも役立ちます。
ここでは、次の3つの活用方法を紹介します。
- 得意・苦手から転職の軸を考える
- 具体的な経験を自己PRにつなげる
- 経験の棚卸しを職務経歴書に活用する
得意・苦手から転職の軸を考える
転職の軸とは、次の仕事を選ぶ際に大切にしたい判断基準のことです。
自己分析で見つけた得意・苦手を振り返ると、自分がどのような仕事や環境で働きたいのか考えやすくなります。
例えば、情報を整理することが得意で、予定外の業務が頻繁に発生すると負担を感じる場合は、計画を立てながら作業を進められる仕事に興味を持つかもしれません。
また、人に説明することが得意なら、経験を生かせる業務や、人をサポートする仕事について考える方法もありますね。
ただし、得意なことが必ずしも好きな仕事とは限りません。
自分が得意なことと、これから取り組みたいことの両方を確認しながら、希望する働き方を整理してみてください。
仕事内容や勤務条件など、転職先を選ぶ基準は人によって異なります。自分が大切にしたい条件を整理すると、求人を比較しやすくなると思います。
具体的な経験を自己PRにつなげる
転職活動で自分の強みを伝える際は、自己分析で書き出した経験を活用しましょう。
例えば、「情報を整理することが得意」という強みが見つかった場合、具体的な業務と結び付けると説明しやすくなります。
先ほどの架空の記入例を使うと、次のような自己PRが考えられます。
【自己PRの記入例】
私の強みは、情報を整理して業務を進めやすくすることです。
前職では、取引先からの問い合わせ対応を担当していました。過去の対応内容を確認しやすくするため、問い合わせの種類や対応方法を一覧にまとめました。
その資料を新人への業務説明にも活用し、対応方法をわかりやすく伝えることを心がけました。
今後も、これまでの経験を生かしながら、正確でわかりやすい情報整理に取り組みたいと考えています。
このように、強み・具体的な経験・自分が工夫したことを組み合わせると、普段の仕事でどのように行動してきたのか伝えやすくなります。
ただし、自己PRに記載する内容は、実際に経験したことをもとに考えてください。
数字で表せる成果がなくても、担当した仕事や工夫した理由を具体的に説明する方法がありますね。
経験の棚卸しを職務経歴書に活用する
経験の棚卸しで書き出した内容は、職務経歴書を作成する際にも活用できます。
職務経歴書では、これまで担当した業務や、自分がどのような役割を担ってきたのかを整理します。
例えば、問い合わせ対応を担当していた場合は、対応した相手や業務内容、使用したツールなどを確認してみましょう。
- 担当業務:取引先からの電話・メールによる問い合わせ対応
- 使用ツール:Excel、メールソフト、社内管理システム
- 工夫したこと:問い合わせ内容や対応方法を一覧にまとめた
- 関連する経験:新人への業務説明、対応資料の作成
自己分析で整理した内容をもとにすると、職務経歴書に記載する経験を思い出しやすくなります。
応募する仕事によって、関連する経験や伝えたい内容も変わるため、求人の募集内容と照らし合わせながら整理するとよいでしょう。
自己分析で書き出した経験を残しておけば、応募先に合わせて職務経歴書を見直す際にも役立ちます。
自己分析を進める際に役立つ商品
自分の経験や考えを整理するときは、書籍や書き込み式のワークブックなどを活用する方法もあります。
ここでは、自己分析を進める際に役立ちそうな商品を4つ紹介します。
1.八木仁平『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』
八木仁平さんの『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』は、自分が大切にしていることや得意なことなどを整理し、やりたいことを考えるための書籍です。
過去の経験を振り返るだけでは、自分が何をしたいのかわからないと感じている方もいると思います。
そのような方が、自己理解の考え方を深める際の参考になるかもしれません。
書籍の詳しい内容は、出版社の紹介はこちらから確認できます。
2.書き込み式の自己分析ワークブック
何も書かれていないノートでは、自己分析をどこから始めればよいのか迷う方もいるでしょう。
そのような場合は、質問や記入欄が用意された自己分析ワークブックも候補になります。
過去の経験や自分の得意・苦手を振り返るための設問があるものなら、一つずつ答えながら考えを整理しやすくなりますね。
転職活動で使用する場合は、社会人経験を振り返るための項目が掲載されているか確認すると、使い方をイメージしやすいと思います。
3.A5サイズのノート
経験の棚卸し表を自分で作成したい方には、A5サイズのノートも便利です。
見開きの左側に担当業務、右側に工夫したことや得意・苦手を書き込むなど、自由に整理できます。
過去の経験を振り返るうちに新しい出来事を思い出したら、後から追加できるのも使いやすいところですね。
4.付箋・インデックスシール
自己分析で書き出した経験を、項目ごとに分類したい方には、付箋やインデックスシールも候補になります。
例えば、得意なこと・苦手なこと・今後挑戦したいことを分けておくと、共通点を探す際に役立ちます。
ただし、スマートフォンやパソコンのメモ機能で整理できるなら、新たに商品を購入する必要はありません。
自分が続けやすい方法を選びながら、少しずつ自己分析を進めてみてくださいね。
まとめ
転職の自己分析は何を書けばいいのか迷ったら、まずはこれまで担当した仕事を振り返るところから始めてみましょう。
大きな実績が思い浮かばなくても、日々の業務で工夫したことや周囲から感謝された経験など、自分を知るための材料は見つかるかもしれません。
▶本記事の振り返り
- 任された仕事・工夫したこと・感謝されたこと・負担が大きかったことを書き出す
- 経験の棚卸し表を作成し、過去の業務から得意・苦手の共通点を探す
- 無料の自己診断ツールも活用しながら、自分の興味や価値観を整理する
- 自己分析の結果を転職の軸・自己PR・職務経歴書に生かす
自己分析は、一度ですべての答えを見つけるための作業ではありません。
経験を振り返ったり、求人を確認したりするうちに、自分の得意なことや希望する働き方が具体的になる場合もあります。
まずは最近担当した仕事を1つ選び、どのような工夫をしたのか書き出してみてくださいね。
