退職の引き継ぎ資料には、業務名・実施時期・手順・保存場所・注意点・進捗・確認先を記載します。後任者が「いつ、何を見て、次に何をするか」を判断できる形にしましょう。
業務の洗い出し方、書き込み用の項目表、事務・接客の記入例を紹介します。社内の指定書式があれば、その形式を使ってください。
担当業務を洗い出す
予定表や業務記録を見ながら、次の3つに分けて一覧にします。
- 日常業務:受注入力、電話対応、開店準備など
- 定期業務:週次報告、月末集計、年次の棚卸しなど
- 進行中の案件:回答待ちの見積もり、未完了の問い合わせなど
締切が近い仕事や、対応が止まると影響が大きい仕事から、上司と優先順位を決めます。退職までの予定が未確定なら、退職を上司に伝えるタイミングと準備も確認してください。
退職の引き継ぎ資料に書く7項目
業務ごとに次の表を埋めます。資料の冒頭には作成者・更新日・引き継ぎ先を記載し、最新版が分かるようにします。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 業務名 | 「月次売上集計」など対象と作業が分かる名称 |
| 実施時期・期限 | 頻度、着手する日、提出期限、休日の場合の扱い |
| 手順 | 作業順序、確認方法、完了後の報告先 |
| 保存場所 | システム名、共有フォルダ、マニュアルの場所 |
| 注意点 | 例外処理、間違えやすい点、自己判断せず確認する条件 |
| 進捗・未完了事項 | 最終対応日、終わった作業、次の対応、期限、担当者 |
| 確認先 | 部署・役割・担当者と社内の連絡方法 |
手順は番号を付け、「確認する」だけでなく何と照合するかを書きます。既存のマニュアルがある場合は参照先を示し、変更点や例外を補足してください。
保存場所は「共有フォルダ→営業部→売上管理→月次集計」のように具体化します。後任者が開けるか、必要なアクセス権限があるかも確認します。
パスワードなどの認証情報は資料へ直接記載せず、社内の管理手順に従います。業務資料を個人のメールや私物のクラウドへ移して引き継がないようにしましょう。
引き継ぎ資料の記入例|事務・接客
以下は架空の業務を想定した例です。実際の手順・期限・社内ルールに置き換えてください。
事務:月次売上集計
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 業務名・期限 | 前月分の売上集計。毎月第1営業日に着手し、第3営業日までに経理へ提出 |
| 手順 | 1.販売管理システムから前月分を出力 2.集計表へ入力 3.返品処理と合計額を元データと照合 4.指定フォルダへ保存し、経理へ連絡 |
| 保存場所 | 共有フォルダ→営業部→売上管理→月次集計。操作手順は同フォルダのマニュアルを参照 |
| 注意点 | 返品処理の反映状況を確認。不一致があれば経理へ相談 |
| 進捗・次の対応 | 10月1日時点:9月分を入力済み。返品1件は確認待ち。10月2日に経理担当へ確認し、回答後に集計表を更新 |
| 確認先 | 集計方法:経理担当/取引内容:営業担当 |
接客:開店前のレジ準備
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 業務名・実施時期 | レジ準備。早番の勤務時間内に行い、開店前に完了 |
| 手順 | レジ起動→釣銭照合→用紙残量確認→決済端末の状態確認→責任者へ報告 |
| 保存場所 | バックヤードの業務ファイル「開店準備」 |
| 注意点 | 釣銭額が合わない場合は自己判断で補填せず、責任者へ報告 |
| 未完了事項・確認先 | 未完了事項なし/当日の店舗責任者 |
資料を共有して引き継ぐ
- 資料を共有し、締切と優先業務を説明する
- 実際の作業を、資料の手順に沿って説明する
- 可能な範囲で後任者に操作してもらう
- 質問された点を追記し、上司や後任者と残作業を確認する
本番の送信・決済・データ更新を伴う業務では、社内ルールに沿って確認しながら進めます。練習のために取り消せない処理を実行しないでください。
後任が決まっていない場合
上司へ、暫定の担当者、優先して資料化する業務、進行中案件の引き受け先を確認します。資料作成は進めつつ、受け渡し先を自分だけで決めないようにします。
最終出勤日までに、最新版の保存場所と未完了案件の担当者・次の対応を共有してください。退職後の自分への連絡を前提にせず、社内で確認できる状態を目指します。
まとめ
- 日常業務・定期業務・進行中案件を洗い出す
- 手順だけでなく、期限・保存場所・確認先も残す
- 未完了案件には次の対応と担当者を書く
- 後任者と資料を使い、分かりにくい点を直す