転職面接の退職理由は、「退職を考えた事情」と「次の職場で実現したいこと」をセットで整理すると伝えやすくなります。人間関係・残業・給与への不満を、事実と異なる理由に変える必要はありません。
ただし、前職への批判が長くなると、何を変えたくて応募したのかが伝わりにくくなります。人物への評価ではなく、仕事上の状況を短く説明しましょう。
退職理由を整理する3つの項目
| 項目 | 整理する内容 |
|---|---|
| 退職を考えた事情 | 何が起き、仕事を続けるうえで何が難しかったか |
| 自分の対応 | 相談や調整を行った場合、その内容と結果 |
| 今後の希望 | 次に続けたい仕事や、必要な働き方 |
改善に向けて行動した事実がなければ、2つ目は省いて構いません。相談が難しい状況だったのに、「上司へ何度も相談した」と作り足す必要はありません。
在職中なら「転職を考えています」、退職済みなら「退職しました」と、現在の状況に合わせます。理由がいくつもある場合は、主な理由を一つ選び、追加質問に応じて補足してください。
まだ理由を整理できていない方は、今の会社への不満と転職の希望を整理する方法を参考にしてください。
人間関係・残業・給与・仕事内容の回答例
以下は架空の状況をもとにした例文です。経験していない出来事や、自分には難しい勤務条件を、そのまま回答に使わないでください。
人間関係が理由の場合
担当業務の変更が共有されず、確認しても必要な情報を得られない状況が続いたことがきっかけです。確認事項をまとめて相談するようにしましたが、状況を変えることが難しく、転職を考えました。今後は、担当者同士で進捗や変更点を共有しながら仕事を進められる環境を希望しています。
「上司が嫌だった」だけで終わらせず、どのように業務へ影響したかを説明します。改善行動の部分は、実際に行った場合だけ加えます。つらい出来事を無理に明るい話へ変える必要はありません。
残業や休日出勤が理由の場合
繁忙期だけでなく通常の時期にも長時間の残業が続き、生活との両立が難しくなったため、働き方を見直したいと考えました。これまでの受注管理の経験を活かしながら、勤務時間の見通しを持って働ける環境を希望しています。
「残業が多かった」と伝えるなら、通常月と繁忙期の違いなど、分かる範囲で実態を整理します。正確でない数字を作る必要はありません。
残業できる範囲に制約がある場合は、曖昧に「対応できます」と答えず、可能な時間帯や条件を伝えます。応募先の働き方は求人票だけで決めつけず、選考中に確認しましょう。
給与・待遇が理由の場合
現在の給与と今後の生活設計を考え、待遇を見直したいと思ったことが転職のきっかけです。今後も営業事務の経験を活かして働きたいと考えています。担当業務や求められる役割と併せて、給与や評価の仕組みを確認しながら転職先を探しています。
給与が主な理由なら、無理に「キャリアアップだけが目的」と言い換えなくても構いません。希望年収と、そこで担当できる業務を分けて整理しておくと、条件について質問されたときに答えやすくなります。
仕事内容のミスマッチが理由の場合
入社時に想定していた経理補助よりも、実際には営業支援の業務を多く担当していました。その経験を通じて、今後は経理の仕事を継続して身につけたいと考えるようになりました。社内の異動も確認しましたが当面は難しかったため、経理職として経験を積める職場を探しています。
採用時の説明と実際の業務が違った場合と、働くうちに希望が変わった場合は区別します。前者ではないのに、「聞いていた仕事と違った」と説明しないようにしましょう。
追加質問への準備と志望動機の確認
「改善するために何かしましたか?」と聞かれたら
取り組んだことがあれば、行動と結果を短く説明します。行動していない場合も、実際の事情を答えます。
直属の上司とのやり取りが負担になっており、当時は相談を持ちかけることが難しいと感じていました。異動などの相談は行っていません。
相談できなかった背景は人によって異なります。例文の事情まで自分の経験として使わないでください。
「同じ状況になったらどうしますか?」と聞かれたら
実際に取れそうな行動と、必要な条件を説明します。「どのような状況でも我慢します」と約束する必要はありません。
業務が重なった場合は、まず期限と優先順位を確認します。そのうえで対応が難しいと分かった段階で、状況を整理して上司へ相談したいと考えています。
退職理由と志望動機がつながっているか確認する
「何を変えたいか」と「なぜ応募先を選んだか」を並べて確認します。応募先なら希望が必ずかなうと決めつけず、求人情報から分かることと、面接で確かめたいことを分けましょう。
応募理由の整理は転職の志望動機の組み立て方、確認の仕方は面接の逆質問の例を参考にしてください。
退職後の期間についても聞かれる場合は、退職理由とは分けて空白期間の説明を準備します。
面接前のチェックリスト
- 実際の出来事と、自分の受け止め方を区別できているか
- 行っていない相談や改善を付け足していないか
- 人物批判や細かな経緯が長くなっていないか
- 次の職場で必要な条件を説明できるか
- 履歴書・職務経歴書の経歴や志望動機と食い違っていないか
まとめ
- 退職理由は、実際の事情と今後の希望を中心にまとめる
- 相談や改善の経験は、行った事実がある場合に伝える
- 希望する働き方を曖昧にせず、応募先の条件も確認する
- 追加質問に答えられるよう、自分の言葉で練習する