「転職の求人票はどこを見ればいいのだろう」「給与や休日が希望に合っていても、応募してから条件が違うと気付いたらどうしよう」。
転職活動で求人を探していると、このような悩みを感じることもありますよね。
求人サイトには仕事内容や給与、勤務時間など、さまざまな情報が掲載されています。しかし、会社ごとに書き方が異なるため、どの項目を比較すればよいのか迷う方もいると思います。
例えば、同じ月給30万円の求人でも、基本給や固定残業代の内訳によって給与の内容は異なります。
また、「週休2日制」と書かれていても、毎週必ず2日休めるとは限りません。
転職の求人票を見るときは、「求人票に書いてあること」と「記載がなく確認したいこと」を分けて整理する方法があります。
複数の求人を同じ項目で比較すると、応募先を選ぶ際にも役立ちますね。
この記事では、転職の求人票の見方について、仕事内容・勤務地・給与の内訳・勤務時間・休日・研修制度などの確認項目を解説します。
求人の比較表や面接で使える質問例も紹介するので、応募前の会社選びに活用してみてください。
▶本記事の概要
- 転職の求人票はどこを見る?応募前に確認したい基本項目
- 給与・勤務時間・休日・研修制度の見方と確認ポイント
- 求人票の比較表と面接・問い合わせで使える質問例
- まとめ
転職の求人票はどこを見る?応募前に確認したい基本項目
転職活動で求人を比較するときは、最初に自分が希望する仕事内容や勤務条件と、求人票に書かれている内容を照らし合わせてみましょう。
給与や休日だけでなく、入社後に担当する仕事や勤務地なども確認したいところです。
まずは、次の3項目から整理していきます。
- 仕事内容と入社後に担当する業務
- 勤務地と転勤・異動の可能性
- 雇用形態と応募に必要な経験・資格
1.仕事内容と入社後に担当する業務
求人票を見るときは、職種名だけでなく、実際に担当する仕事内容を確認してみてください。
例えば、同じ事務職でも、データ入力が中心の仕事もあれば、電話対応や取引先との連絡、営業担当者のサポートなどを任される仕事もあります。
「事務職だから今までの経験を生かせそう」と思って応募しても、想像していた業務と異なる場合があるかもしれません。
仕事内容については、次の項目を確認しておきましょう。
- 入社後に担当する具体的な業務
- 自分が経験してきた仕事との共通点
- 新しく覚える必要がある業務
- 仕事を進める際に使用するツールやシステム
- 入社後に担当業務が変わる可能性
なお、2024年4月からは、募集時に明示する労働条件として、従事する業務の変更の範囲が追加されています。
入社直後の仕事内容だけでなく、将来の配置転換などで担当する可能性がある業務の範囲も確認できるようになっています。
制度の詳しい内容は、厚生労働省の案内はこちらから確認できます。
希望している仕事と実際の担当業務が合っているか、応募前に確認しておきたいですね。
2.勤務地と転勤・異動の可能性
勤務地については、求人票に記載されている住所だけでなく、実際にどこで働くことになるのか確認しましょう。
会社の本社所在地と、入社後に勤務する場所が異なる場合もあります。
また、現在の勤務地が希望に合っていても、将来の転勤や異動によって働く場所が変わる可能性もあるためです。
次の項目を確認してみてください。
- 入社直後の勤務地
- 自宅からの通勤時間と交通手段
- 転勤や異動の可能性
- 勤務地が変更される場合の範囲
- 在宅勤務がある場合の利用条件
業務内容と同様に、2024年4月からは募集時の明示事項に「就業場所の変更の範囲」が追加されています。
例えば、現在の勤務地が東京でも、変更の範囲に全国の事業所が含まれていれば、将来的な転勤について確認したいところです。
通勤時間を短くすることが転職の目的なら、現在の勤務地だけでなく、入社後に働く場所が変わる可能性も含めて比較することが大切ですね。
3.雇用形態と応募に必要な経験・資格
仕事内容や勤務地を確認したら、雇用形態と応募条件にも目を向けてみましょう。
正社員・契約社員・パートなど、雇用形態によって労働契約の内容は異なります。
特に契約期間の定めがある求人では、契約期間や更新の基準、更新回数・通算契約期間の上限などを確認しておきたいですね。
また、応募に必要な経験や資格についても、次の項目を整理してみてください。
- 必須とされている実務経験や資格
- 歓迎される経験やスキル
- 必要なパソコン操作や専門知識
- 試用期間の有無と期間
- 有期契約の場合は契約期間と更新条件
例えば、Excelの実務経験が必須と記載されていても、具体的にどのような操作が必要なのかまでは書かれていない場合があります。
そのようなときは、実際の業務で必要になる操作や経験を確認することで、自分のスキルと照らし合わせやすくなるでしょう。
求人票に記載された応募条件と、自分がこれまで経験してきた仕事を比較することがポイントです。
給与・勤務時間・休日・研修制度の見方と確認ポイント
仕事内容や勤務地が希望に合っていても、給与や勤務時間などの条件によっては、応募するか迷うこともありますよね。
転職の会社選びでは、生活に直接関わる条件も同じ項目で比較したいところです。
ここでは、次の4項目について詳しく紹介します。
- 給与の内訳と固定残業代
- 勤務時間と残業時間
- 年間休日数と休日制度
- 研修制度と入社後のサポート
1.給与の内訳と固定残業代
求人票に記載されている給与は、金額だけでなく内訳まで確認してみましょう。
例えば、月給30万円と書かれていても、基本給だけで30万円なのか、各種手当や固定残業代を含んだ金額なのかによって内容は異なります。
給与欄では、次の項目を確認しておくと比較しやすくなります。
- 基本給と各種手当の金額
- 固定残業代の有無・金額・対象となる時間数
- 固定残業代の対象時間を超えた場合の追加支給
- 賞与や昇給の制度、支給条件
- 通勤手当などの支給条件
例えば、次のような求人を見つけたとします。
| 給与項目 | 記載例 |
|---|---|
| 月給 | 300,000円 |
| 基本給 | 250,000円 |
| 固定残業代 | 50,000円 |
| 対象時間数 | 月25時間分 |
※上記は給与の内訳を説明するための架空の記入例です。
この場合、月給30万円のうち5万円が固定残業代として設定されています。
固定残業代がある求人では、対象となる時間数と、超過分の割増賃金が追加で支給されることも確認したいですね。
固定残業代に記載された時間数は、実際に毎月その時間まで残業することを示すものではありません。
実際の残業時間については、勤務時間の欄や面接などで別に確認してみてください。
給与の明示事項については、ハローワークの労働条件に関する解説はこちらから確認できます。
2.勤務時間と残業時間
勤務時間については、始業時刻と終業時刻に加えて、休憩時間や残業の有無も確認しましょう。
「9時から18時まで」と記載されていても、実際の勤務時間が毎日同じとは限りません。
シフト制や変形労働時間制を採用している場合は、勤務する曜日や時間帯が変わる可能性もあります。
次の項目を比較してみてください。
- 始業・終業時刻と休憩時間
- 残業の有無と月平均の残業時間
- シフト制や交替勤務の有無
- 繁忙期に勤務時間が変わる可能性
- 在宅勤務や時差出勤などの利用条件
例えば、平日の夜に自分の時間を確保したい方なら、終業時刻だけでなく、実際の残業時間も大切な比較項目になります。
月平均の残業時間が記載されている場合でも、月ごとの忙しさによって変わることがあるでしょう。
実際の働き方を知りたいときは、配属予定の部署における残業時間や繁忙期の勤務状況を確認する方法もありますね。
3.年間休日数と休日制度
休日については、「週休2日制」という言葉だけで判断せず、年間休日数や具体的な休日も確認してみましょう。
週休2日制は、毎週必ず2日休めるという意味とは限りません。
一方、完全週休2日制は、毎週2日の休日がある制度です。ただし、休日が必ず土日になるとは限らないため、休める曜日も確認したいですね。
求人票では、次の項目を比較するとわかりやすくなります。
- 年間休日数
- 週休2日制・完全週休2日制の区分
- 土日祝日が休日になるか
- 年末年始・夏季などの休暇制度
- 休日出勤の有無と振替休日などの扱い
- 年次有給休暇の付与条件
例えば、同じ年間休日120日の求人でも、土日祝日が休みの会社と、シフトによって休日が決まる会社では働き方が異なります。
また、年次有給休暇の付与日数と、実際に取得できている日数は別の情報です。
休日の日数だけでなく、休める曜日や休暇の利用状況も含めて比較することが大切だと思います。
4.研修制度と入社後のサポート
未経験の職種に応募する場合や、新しい業務に挑戦したい場合は、入社後の研修制度も気になるところですよね。
求人票に「研修制度あり」「未経験歓迎」と書かれていても、具体的な内容まではわからない場合があります。
そのようなときは、次の項目を確認してみてください。
- 入社後に受けられる研修の内容
- 研修期間と実際の業務を始める時期
- 仕事を教えてくれる担当者の有無
- 研修終了後のサポート体制
- 業務に必要な資格取得の支援制度
例えば、入社後すぐに担当業務を任されるのか、先輩社員と一緒に仕事を覚える期間があるのかによって、働き始めたときの環境は変わります。
「研修制度あり」という記載だけで判断せず、実際にどのような流れで仕事を覚えていくのか確認してみると安心ですね。
求人票の比較表と面接・問い合わせで使える質問例
ここまで求人票の確認項目を紹介しましたが、複数の求人を比較するときは情報が多くなり、混乱してしまうこともあると思います。
そのような場合は、求人票に記載されている内容と、記載がなく確認したい内容を分けておきましょう。
ここでは、次の3つの方法を紹介します。
- 求人票の確認項目を比較表にまとめる
- 面接や問い合わせで使える質問例を用意する
- 企業研究に役立つ書籍や道具を活用する
1.求人票の確認項目を比較表にまとめる
気になる求人を見つけたら、仕事内容・勤務地・給与・勤務時間・休日・研修制度などを同じ項目で比較してみてください。
求人票に書かれていない内容は、空欄のままにせず、確認したいこととして残しておくと便利です。
例えば、次のような比較表が考えられます。
| 比較項目 | 求人票に書いてあること | 記載がなく確認したいこと |
|---|---|---|
| 仕事内容 | 営業事務・受注入力 | 電話対応の割合、担当業務の範囲 |
| 勤務地 | 東京都内の事業所 | 具体的な配属先、出社頻度 |
| 給与 | 月給28万~32万円 | 経験に応じた給与の決定方法 |
| 勤務時間 | 9時~18時 | 配属部署の残業時間 |
| 休日 | 年間休日120日 | 休める曜日、休日出勤の頻度 |
| 研修 | 入社時研修あり | 研修期間と具体的な内容 |
※上記は架空の求人を想定した比較例です。
この表を作成すると、求人票を読んだだけではわからなかった部分が見えてきます。
特に、自分が転職先に求めている必須条件については、確認が必要な項目を残しておくとよいでしょう。
また、求人票を比較する前に希望条件の優先順位を整理しておくと、どの項目を大切にしたいのか考えやすくなります。
転職の軸が決まらない方は、希望条件を「必須」「できれば欲しい」「妥協できる」に分ける方法も参考にしてみてくださいね。
求人票に記載がないことと、実際に制度や条件が存在しないことは別です。
例えば、研修制度の詳しい内容が書かれていなくても、入社後に研修が用意されている場合があります。
わからない項目をそのままにせず、面接や問い合わせで確認できるよう整理しておきましょう。
2.面接や問い合わせで使える質問例を用意する
求人票の比較表を作成したら、記載がなく確認したい項目を質問に変えてみましょう。
面接では、自分が応募先で働く姿をイメージできるよう、仕事内容や勤務条件について具体的に確認する方法があります。
例えば、次のような質問が考えられます。
仕事内容・勤務地に関する質問例
- 「入社後は、どのような業務から担当することになりますか?」
- 「配属予定の部署では、どのような業務を担当する方が多いですか?」
- 「転勤や異動が発生する場合、どのような勤務地が想定されますか?」
仕事内容や勤務地については、求人票に記載された内容をもとに、より具体的な業務の進め方を確認するとよいでしょう。
給与・勤務時間・休日に関する質問例
- 「求人票に記載された給与の範囲について、入社時の金額はどのように決まりますか?」
- 「配属予定の部署では、月の残業時間はどのくらいでしょうか?」
- 「休日出勤が発生する場合、振替休日などはどのように取得していますか?」
勤務条件について質問するときは、求人票で確認できた内容を踏まえて、具体的に知りたいことを伝えてみてください。
給与や労働時間などの条件について、応募時に提示された内容から変更がある場合は、労働契約を結ぶ前に変更内容の明示が必要とされています。
詳しくは、ハローワークの労働条件に関する説明はこちらから確認できます。
研修制度に関する質問例
- 「入社後の研修は、どのような流れで進みますか?」
- 「業務に慣れるまでは、どのようなサポートを受けられますか?」
- 「未経験で入社した方は、どのように仕事を覚えていくのでしょうか?」
研修制度については、具体的な期間や指導方法を確認すると、入社後の働き方を想像しやすくなります。
質問は多く用意することよりも、自分が応募先を選ぶために必要な情報を確認することが大切です。
求人票や企業の採用ページを確認してもわからなかった内容を中心に、質問を整理してみてくださいね。
3.企業研究に役立つ書籍や道具を活用する
求人票を比較するときは、企業研究に関する書籍や、情報を整理するための道具を活用する方法もあります。
ここでは、転職の会社選びに役立ちそうな商品を4つ紹介します。
企業研究・業界研究の入門書
企業研究の進め方がわからない方には、会社の事業内容や仕事内容、業界の特徴などを調べる方法が掲載された入門書も候補になります。
求人票に書かれている仕事内容を理解するために、企業の事業内容を確認したい方にも役立つと思います。
志望業界を解説した業界研究本
応募したい業界が決まっている場合は、その業界の仕事内容や企業の特徴を解説した書籍も参考になります。
複数の会社を比較する際は、それぞれの企業がどのような事業を行っているのか確認すると、求人票の仕事内容も理解しやすくなるでしょう。
業界研究本を選ぶ際は、発行年や掲載されている情報の時点も確認してみてくださいね。
求人比較用のノート
気になる求人の情報を手書きで整理したい方には、シンプルなノートも便利です。
仕事内容・給与・休日などの項目を分けて記入すると、会社ごとの違いを比較しやすくなります。
面接で確認したい質問も一緒に書き込んでおけば、応募先の情報をまとめて管理できますね。
A4サイズの書類ファイル
求人票を印刷して比較したい方には、A4サイズの書類ファイルも候補になります。
会社ごとに求人票や確認事項をまとめておくと、面接前に情報を見直す際にも便利です。
ただし、スマートフォンやパソコンで求人情報を保存できるなら、新たに商品を購入する必要はありません。
この記事で紹介した比較表を参考に、手元のノートやメモアプリを使用する方法でも十分に整理できます。
自分が使いやすい方法で求人票の情報をまとめることを大切にしたいですね。
まとめ
転職の求人票を見るときは、仕事内容や給与などの一部分だけでなく、勤務地・勤務時間・休日・研修制度まで確認してみましょう。
気になる求人が複数ある場合は、同じ項目で比較しながら、自分が希望する働き方に合っているか考える方法もあります。
▶本記事の振り返り
- 仕事内容・勤務地・雇用形態・応募条件を確認する
- 給与の内訳・勤務時間・休日・研修制度を同じ項目で比較する
- 求人票に書いてあることと記載がなく確認したいことを分ける
- 面接や問い合わせで使える質問を整理し、応募先を選ぶための情報を集める
求人票に書かれている情報だけでは、実際の仕事内容や勤務条件を十分に把握できない場合もあります。
そのようなときは、わからない部分を確認したい項目として残しておき、面接や問い合わせの際に質問してみてください。
まずは気になる求人を2つ選び、「求人票に書いてあること」と「記載がなく確認したいこと」を比較表にまとめるところから始めてみましょう。
