「転職先が決まったけれど、退職はいつ上司に伝えればいいのだろう」「引き止められたら、どう答えればいいのかな……」
転職先が決まるとうれしい反面、現在の職場へ退職を伝えることに不安を感じる方もいるでしょう。
特に、上司との関係や職場の人手不足が気になる場合は、なかなか退職の話を切り出せないかもしれません。
退職を上司に伝えるタイミングを考える際は、転職先の入社予定日と現在の会社の退職手続きを確認することが大切です。
会社によって退職の申し出に関する手続きが異なるため、就業規則や雇用契約を確認し、引き継ぎに必要な期間も考慮しながら予定を整理してみましょう。
この記事では、退職を上司に伝える時期や切り出し方、退職希望日の伝え方、引き止められた場合の対応について解説します。
▶本記事の概要
- 退職を上司に伝えるタイミングはいつ?何ヶ月前が目安?
- 退職を上司に伝える切り出し方と退職希望日の伝え方
- 退職を引き止められた場合の対応方法
- 退職を伝えた後の引き継ぎと退職届の確認事項
退職を上司に伝えるタイミングはいつ?何ヶ月前が目安?
転職先が決まった後、退職をいつ上司に伝えるか迷う方もいるでしょう。
退職の申し出に必要な期間は、現在の雇用契約や会社の就業規則によって確認する内容が異なります。
まずは、次の3つを整理してみてください。
- 転職先の入社予定日から退職時期を考える
- 就業規則と雇用契約を確認する
- 退職を申し出る際の法律上のルールを確認する
転職先の入社予定日から退職時期を考える
転職先が決まった場合は、入社予定日を確認し、現在の会社をいつ退職するのか考えてみましょう。
例えば、転職先への入社が12月1日に決まっている場合、11月中の退職を希望することが考えられます。
そのうえで、現在の職場で必要な引き継ぎや退職手続きの期間を整理すると、上司に伝える時期を考えやすくなるでしょう。
次のような項目をメモしてみてください。
- 転職先から提示された入社予定日
- 現在の会社で希望する退職日
- 就業規則に記載された退職の申し出期限
- 担当業務の引き継ぎに必要な期間
- 退職までに確認したい手続き
転職先の入社日が確定していない場合は、まず採用担当者と日程を確認する方法があります。
現在の会社との退職日の調整が必要になった場合も、転職先へ早めに相談しておくと予定を整理しやすくなりますね。
なお、退職を伝えるタイミングは、転職活動を始めた時点で決める必要はありません。
転職先が決まる前の準備については、在職中に進める転職活動の手順はこちらから確認できます。
就業規則と雇用契約を確認する
退職を上司に伝える前に、現在の会社の就業規則と雇用契約を確認しておきましょう。
就業規則には、退職の申し出について「退職希望日の1ヶ月前まで」などと記載されている場合があります。
また、会社によっては退職願の提出先や、退職手続きの流れが定められていることもあるでしょう。
例えば、次の内容を確認してみてください。
- 退職の申し出は何日前までと定められているか
- 退職の意思を最初に伝える相手は誰か
- 退職願や退職届の提出方法
- 退職希望日の調整に関する手続き
- 雇用契約に期間の定めがあるか
「退職は何ヶ月前に伝えればよいのだろう」と迷っている場合も、まずは自分の会社の規定を確認すると、具体的な予定を立てやすくなります。
ただし、就業規則に記載された日数と、法律上の退職のルールは必ずしも同じではありません。
会社の規定について疑問がある場合は、法律上の取り扱いも確認してみましょう。
退職を申し出る際の法律上のルールを確認する
退職の申し出に関する法律上のルールは、雇用契約の期間に定めがあるかどうかで異なります。
厚生労働省によると、期間の定めがない雇用契約では、原則として退職の申し入れから2週間が経過すると労働契約が終了します。
ただし、就業規則で退職手続きが定められている場合は、その内容が合理的であれば、規定に沿った手続きを進める必要があります。
一方、契約社員などの期間の定めがある雇用契約では、原則として契約期間の途中で自由に退職できるわけではありません。
やむを得ない事由がある場合や、会社との合意がある場合など、状況によって取り扱いが変わります。
契約期間が1年を超える場合には、一定の例外も設けられています。
詳しい法律上のルールについては、厚生労働省の退職に関する解説から確認できます。
法律上の2週間という期間は、すべての雇用契約で共通する退職期限ではありません。
また、「必ず1ヶ月前に申し出なければ退職できない」と一律に決まっているわけでもないため、契約内容や就業規則を確認することが大切ですね。
退職の時期に迷っている場合は、転職先の入社日と現在の会社の手続きを照らし合わせて考えてみましょう。
退職を上司に伝える切り出し方と退職希望日の伝え方
退職の意思を伝える時期が決まっても、上司にどのように話を切り出せばよいのか迷うかもしれません。
ここでは、次の3つに分けて伝え方を紹介します。
- 退職の意思は誰に伝える?直属の上司への相談方法
- 退職を切り出す際の言い方と例文
- 退職希望日を伝えるときの確認事項
退職の意思は誰に伝える?直属の上司への相談方法
退職を決めた場合は、まず就業規則で定められた申し出先を確認しましょう。
特に指定がなければ、直属の上司に最初に伝える方法が考えられます。
同僚やほかの部署の社員へ先に伝えてしまうと、正式な報告よりも前に退職の話が広がる可能性もあります。
上司へ退職を伝える際は、周囲に話を聞かれにくい場所で、落ち着いて話せる時間を確保するとよいでしょう。
例えば、次のように声をかけられます。
「今後の勤務についてご相談したいことがあります。お時間のあるときに、少しお話しさせていただけますか?」
上司が忙しそうな場合は、メールや社内チャットで面談の時間を相談する方法もあります。
ただし、退職の正式な申し出方法が定められている場合は、会社の手続きも確認しておきましょう。
退職を切り出す際の言い方と例文
上司と話す時間を確保できたら、退職の意思と希望する時期を簡潔に伝えてみましょう。
例えば、次のような言い方が考えられます。
「お時間をいただき、ありがとうございます。私事で恐縮ですが、転職先が決まりましたので、〇月〇日をもって退職したいと考えております。」
「現在担当している業務については、退職日までに引き継ぎを進めたいと考えています。今後の手続きについて、ご相談させていただけますでしょうか。」
このように、退職の意思と希望日を伝えたうえで、今後の手続きについて相談すると、話を進めやすくなります。
すでに退職を決めている場合は、退職するかどうかの相談ではなく、退職の意思を伝えることを意識すると、相手にも状況が伝わりやすくなるでしょう。
退職理由を詳しく聞かれた場合も、無理に長い説明をする必要はありません。
例えば、「今後は別の職種で経験を積みたいと考え、転職を決めました」といった伝え方もできます。
退職を決めた理由や伝えられる範囲は人によって異なるため、自分の状況に合わせて整理してみてください。
退職希望日を伝えるときの確認事項
退職の意思を伝える際は、希望する退職日も具体的に伝えましょう。
「来月中には退職したいです」という言い方では、正式な退職日を決める際に確認が必要になるかもしれません。
例えば、次のように伝えられます。
「転職先への入社が12月1日に決まっているため、11月30日を退職希望日として考えております。」
希望する日付を伝えると、上司や人事担当者も退職手続きや引き継ぎの予定を確認しやすくなります。
退職希望日について相談する際は、次の項目も整理してみましょう。
- 転職先への入社予定日
- 現在の会社で希望する退職日
- 引き継ぎに必要な期間
- 会社で定められた退職手続き
退職日について調整が必要になった場合は、転職先の入社予定日に影響がないかも確認したいところです。
退職日と転職先の入社日が食い違わないよう、両方の予定を確認しながら進めてみましょう。
退職を引き止められた場合の対応方法
退職を上司に伝えた際、人手不足や担当業務の都合などから、引き止められる場合があります。
「もう少し残ってほしい」と言われると、どう返事をすればよいのか迷ってしまいますよね。
ここでは、次の2つについて解説します。
- 退職の意思が変わらない場合の伝え方
- 退職を認めてもらえない場合の確認方法
退職の意思が変わらない場合の伝え方
上司から退職を引き止められた場合は、まず相手の話を聞き、自分の考えを整理して伝える方法があります。
例えば、人手不足を理由に退職時期の延長を求められた場合は、次のように伝えられます。
「ご配慮いただき、ありがとうございます。ただ、転職先への入社日が決まっているため、退職の意思は変わりません。」
「退職日までに、担当業務の引き継ぎについてできる限り対応したいと考えております。」
このように、退職の意思と引き継ぎへの考え方を分けて伝えると、今後の手続きについて話し合いやすくなるでしょう。
また、給与や勤務条件の改善を提案される場合もあります。
提案を受けて考え直したい場合は、変更される条件を確認し、自分の希望と照らし合わせて判断してもよいですね。
ただし、すでに転職先への入社を決めている場合は、現在の会社からの提案だけでなく、転職先との予定も確認しておきましょう。
転職するかどうかの判断を整理したい場合は、転職するか迷ったときの考え方はこちらから確認できます。
退職を認めてもらえない場合の確認方法
退職の意思を伝えても、上司から「後任が決まるまで退職できない」と言われる場合があるかもしれません。
そのようなときは、就業規則や雇用契約、退職の申し出に関する法律上のルールを確認しましょう。
期間の定めがない雇用契約では、原則として退職の申し入れから2週間が経過すると、会社の承諾がなくても労働契約が終了します。
したがって、上司が退職に同意しない場合でも、いつまでも退職できないというわけではありません。
一方、期間の定めがある雇用契約では、契約期間や退職理由などによって取り扱いが異なります。
退職を申し出ても話が進まない場合は、人事担当者や会社で定められた退職手続きの担当者へ確認する方法があります。
それでも解決しない場合は、厚生労働省の総合労働相談コーナーで相談できます。
総合労働相談コーナーでは、退職を含む職場のトラブルについて、無料で相談を受け付けています。
退職の意思を伝えた日付や会社とのやり取りを記録しておくことも、状況を整理するうえで役立つでしょう。
退職を伝えた後の引き継ぎと退職届の確認事項
上司に退職の意思を伝えた後は、担当業務の引き継ぎや退職届の提出など、必要な手続きを確認していきましょう。
退職までの期間や会社の規定によって、対応する内容は異なります。
ここでは、次の2つに分けて紹介します。
- 担当業務の引き継ぎを整理する
- 退職届の提出方法と必要な手続きを確認する
担当業務の引き継ぎを整理する
退職日が決まったら、現在担当している業務を整理し、引き継ぎの予定を考えてみましょう。
まずは、次のような内容を書き出すと整理しやすくなります。
- 現在担当している業務と作業の流れ
- 定期的に対応している仕事と期限
- 進行中の案件と対応状況
- 業務上の注意点や確認事項
- 後任者へ引き継ぐ必要がある資料
例えば、毎月決まった日に行う業務がある場合は、作業内容や使用する資料の保存場所をまとめておくと、後任者が仕事を進めやすくなります。
引き継ぎ先がまだ決まっていない場合は、上司と相談し、どのような資料を準備するか確認してみましょう。
また、取引先の情報や社内資料など、機密情報を含むものについては、会社で定められた管理方法に沿って取り扱う必要があります。
退職後に業務を確認できるよう、担当している仕事と進行状況を社内で共有できる形に整理することを意識してみてください。
引き継ぎの内容が多い場合は、業務ごとの進捗を記録できるノートや、社内で使用を認められている書類整理用品も役立ちます。
退職届の提出方法と必要な手続きを確認する
退職の意思を伝えた後は、退職届などの書類について、提出先や提出期限を確認しましょう。
会社によっては、指定された様式で退職願や退職届を提出する場合があります。
一般的に、退職願は退職について会社へ願い出る書類、退職届は退職する意思を届け出る書類として使われます。
ただし、書類の名称だけで法的な取り扱いが決まるわけではありません。記載内容や提出時の状況によっても意味が異なります。
そのため、次の項目を会社へ確認してみてください。
- 退職願や退職届の提出が必要か
- 会社指定の書式があるか
- 書類の提出先と提出期限
- 記載する正式な退職日
- 退職に伴って必要になる社内手続き
退職届を作成する場合は、退職日や氏名、提出先などに誤りがないか確認しましょう。
書類を管理したい場合は、次のような商品も活用できます。
- A4サイズの書類整理ファイル:退職に関する書類や転職先の入社手続きの資料を整理するときに便利です。
- 業務引き継ぎ用のノート:担当業務や作業手順、引き継ぎの進捗を記録するときに役立ちます。
退職届を提出した日付や、上司・人事担当者と確認した内容も記録しておくと、後から手続きを振り返りやすくなります。
退職日と必要な書類を確認し、会社から案内された手続きを整理しておきましょう。
まとめ
退職を上司に伝えるタイミングは、転職先の入社予定日と現在の会社の退職手続きを確認したうえで考えてみましょう。
退職の申し出に関するルールは、雇用契約の期間や就業規則によって異なります。法律上の取り扱いも確認しながら、退職希望日を整理することが大切です。
上司へ伝える際は、退職の意思と希望日を簡潔に伝えると、今後の手続きについて話し合いやすくなります。
また、引き止められた場合も、自分の意思を整理して伝え、退職日までの引き継ぎについて確認してみてくださいね。
▶本記事の振り返り
- 転職先の入社予定日と就業規則を確認し、退職を伝える時期を考える
- 雇用契約の期間によって、退職の申し出に関する法律上のルールが異なる
- 上司には退職の意思と退職希望日を具体的に伝える
- 引き止められた場合は、自分の意思と今後の予定を整理して伝える
- 退職日が決まったら、引き継ぎと必要な書類を確認する
まずは現在の会社の就業規則を開き、退職の申し出期限や手続きを確認してみましょう。
転職先の入社日から予定を整理し、上司に伝える内容を事前にまとめておくと、落ち着いて退職の話を進めやすくなります。