「転職したいけれど、希望する条件が多すぎて決められない」「年収も休日も仕事内容も大切で、何を優先したらよいのだろう」。
転職先を探していると、このような悩みを感じることもありますよね。
給与が高い会社を見つけても、休日が少なかったり、通勤時間が長かったりすると、応募するか迷ってしまうかもしれません。
反対に、働きやすそうな会社でも、年収が下がると生活への影響が気になると思います。
このように、仕事選びで大切にしたい条件が複数ある場合は、希望条件を「必須」「できれば欲しい」「妥協できる」の3つに分けて整理する方法があります。
すべての条件を満たす会社を探すのではなく、自分にとって何が大切なのかを考えることが、転職の軸を決める第一歩です。
この記事では、転職の軸が決まらない方に向けて、年収・休日・勤務地・仕事内容・働き方などの希望条件に優先順位を付ける方法を紹介します。
具体的な記入例や、条件がぶつかった場合の比較方法も解説するので、自分の希望を整理する際に参考にしてみてくださいね。
▶本記事の概要
- 転職の軸が決まらないときは希望条件を整理する
- 転職の希望条件に優先順位を付ける方法と記入例
- 希望条件がぶつかったときの比較方法と見直し方
- まとめ
転職の軸が決まらないときは希望条件を整理する
転職の軸とは、次の仕事や会社を選ぶときに大切にしたい判断基準のことです。
例えば、「年収を上げたい」「休日を増やしたい」「新しい仕事に挑戦したい」など、人によって大切にしたいことは異なりますね。
転職の軸が決まらない場合は、まず自分が希望する条件を具体的に書き出してみましょう。
ここでは、次の3つの手順で整理していきます。
- 希望する仕事内容や勤務条件を書き出す
- 条件を希望する理由まで考える
- 今の会社で満足している条件も確認する
1.希望する仕事内容や勤務条件を書き出す
最初は、転職先に求める条件を思いつくまま書いてみてください。
この段階では、条件が多くなっても構いません。
まずは、次の5項目から考えてみましょう。
- 年収:希望する給与額や賞与、昇給など
- 休日:年間休日数、土日休み、休暇の取りやすさなど
- 勤務地:通勤時間、転勤の有無、勤務場所など
- 仕事内容:担当したい業務、経験を生かせる仕事など
- 働き方:残業時間、在宅勤務、勤務時間など
例えば、年収であれば「今より高い給与が欲しい」、休日であれば「土日は休みたい」といった形でも大丈夫です。
ただし、希望条件が曖昧なままだと、求人を比較する際に迷いやすくなります。
「休日が多い会社」なら年間休日120日以上、「通勤しやすい会社」なら片道45分以内など、自分が比較できる具体的な条件に変えていくことがポイントですね。
2.条件を希望する理由まで考える
希望条件を書き出したら、なぜその条件を大切にしたいのか考えてみましょう。
例えば、「年収を上げたい」という希望がある場合、生活費に余裕を持ちたいのか、仕事の成果を給与に反映してほしいのかによって、求める条件が変わるかもしれません。
次のように、希望する理由も一緒に整理してみてください。
| 希望条件 | 希望する理由 |
|---|---|
| 年収450万円以上 | 生活費と貯蓄の両方を確保したい |
| 年間休日120日以上 | 家族や趣味の時間を確保したい |
| 通勤片道45分以内 | 仕事が終わった後の時間を増やしたい |
| 経験を生かせる仕事 | これまで身につけた知識を活用したい |
上記は架空の記入例です。実際には、自分の生活や希望に合わせて金額や時間を設定してみましょう。
希望する理由まで整理すると、ほかの条件で代わりに実現できることがあるかも考えやすくなります。
例えば、通勤時間を短くしたい理由が自宅で過ごす時間を増やすことなら、在宅勤務という選択肢も考えられますね。
3.今の会社で満足している条件も確認する
転職先の希望条件を考えるときは、今の会社で満足している部分にも目を向けてみてください。
例えば、現在の職場では給与に不満があっても、仕事内容や休日には満足している場合があります。
その場合、年収を上げることだけに注目すると、今まで満足していた条件が変わる可能性もあるでしょう。
今の会社で続けたいことと、転職によって変えたいことを分けておくと、希望条件を整理しやすくなると思います。
なお、転職するかどうか自体に迷っている場合は、今の職場で改善できそうなことを確認する方法もあります。
転職の希望条件に優先順位を付ける方法と記入例
希望条件を整理できたら、次は優先順位を付けていきましょう。
転職の軸が決まらないときは、すべての条件を同じ重さで考えている場合もあります。
例えば、年収・休日・勤務地・仕事内容のすべてを最優先にすると、条件の異なる求人を比較しにくくなるかもしれません。
そこで、希望条件を「必須」「できれば欲しい」「妥協できる」の3つに分ける方法を紹介します。
- 必須・できれば欲しい・妥協できるの3段階に分ける
- 記入例を参考に希望条件の優先順位を決める
- 全部が必須になってしまう場合は条件を分けて考える
1.必須・できれば欲しい・妥協できるの3段階に分ける
まずは、書き出した希望条件を3つに分類してみてください。
必須の条件
必須の条件は、生活や転職理由に大きく関わり、満たされない場合は入社を検討しにくい条件です。
例えば、生活費を確保するために必要な最低年収や、家庭の事情によって必要になる勤務時間などが考えられます。
「これが満たされない場合、入社後の生活や働き方にどのような影響があるか」と考えてみると、判断しやすくなるでしょう。
できれば欲しい条件
できれば欲しい条件は、満たしていると魅力を感じるものの、ほかの条件との組み合わせで検討できる希望です。
例えば、年収450万円以上を必須としている場合、年収500万円以上をできれば欲しい条件に設定する考え方があります。
希望する金額に届かなくても、休日や仕事内容などに満足できれば、検討する余地があるかもしれませんね。
妥協できる条件
妥協できる条件は、ほかの希望が満たされていれば、調整できる条件です。
例えば、会社の知名度やオフィスの設備、通勤時間のわずかな違いなどが考えられます。
ただし、妥協できる条件だからといって、必ず受け入れる必要はありません。
自分が納得できる範囲を確認するための分類として考えてみてくださいね。
2.記入例を参考に希望条件の優先順位を決める
実際にどのように分類すればよいのか、架空の人物を例に紹介します。
ここでは、事務職として働いていて、給与と勤務時間の両方を改善したい方を想定しました。
| 項目 | 希望条件 | 優先順位 |
|---|---|---|
| 年収 | 450万円以上 | 必須 |
| 休日 | 年間休日120日以上 | 必須 |
| 勤務地 | 通勤片道45分以内 | できれば欲しい |
| 仕事内容 | これまでの事務経験を生かせる | 必須 |
| 働き方 | 週1日以上の在宅勤務 | できれば欲しい |
| その他 | 知名度の高い会社 | 妥協できる |
この例では、年収・休日・仕事内容を必須条件に設定しています。
一方、通勤時間や在宅勤務は、ほかの条件との組み合わせで検討できる希望として分類しました。
同じ年収を希望していても、休日を重視する方もいれば、仕事内容を優先する方もいるでしょう。
そのため、この表はあくまで記入例です。自分の生活や大切にしたいことに合わせて、優先順位を決めてみましょう。
なお、自分が得意な仕事や、今後取り組みたい仕事がわからない場合は、これまでの経験を振り返る方法もあります。
自己分析で見つけた得意・苦手を参考にすると、仕事内容に関する希望条件を具体的に考えやすくなりますね。
3.全部が必須になってしまう場合は条件を分けて考える
希望条件に優先順位を付けようとしても、すべてが必須になってしまう方もいると思います。
「年収も休日も勤務地も大切だから、どれも妥協できない」と感じることもありますよね。
そのような場合は、条件の中に「最低限必要な範囲」と「できれば実現したい範囲」が混ざっていないか確認してみましょう。
例えば、年収について次のように分ける方法があります。
- 最低限必要な年収:450万円以上
- できれば実現したい年収:500万円以上
- 希望する金額に届かない場合:手当や勤務条件も確認する
年収500万円を希望していても、生活上必要な最低金額が450万円なら、2つを分けて考えられます。
休日についても、年間休日120日以上を希望する理由が、自分の時間を確保するためなのか、特定の曜日に休む必要があるためなのかによって、比較する条件が変わるかもしれません。
ただし、生活や健康、家庭の事情などによって、調整できない条件が複数ある場合もあります。
そのような条件まで無理に減らす必要はありません。
「全部が必須だから一つに絞る」のではなく、条件ごとに必要な理由と調整できる範囲を確認することが大切です。
まだ判断できない条件は、いったん保留にしておいても構いません。求人の内容を確認しながら、後から優先順位を見直す方法もありますね。
希望条件がぶつかったときの比較方法と見直し方
転職の軸を決めても、実際に求人を探すと、希望条件がぶつかる場面があります。
「年収は高いけれど休日が少ない会社」と「休日は多いけれど年収が低い会社」が見つかることもあるでしょう。
そのようなときは、希望条件の優先順位と求人の内容を照らし合わせながら比較してみてください。
- 条件がぶつかった場合は求人を同じ項目で比較する
- 希望条件の優先順位を見直す
- 記入表を使って自分の転職の軸をまとめる
- 条件整理に役立つ商品を必要に応じて活用する
1.条件がぶつかった場合は求人を同じ項目で比較する
例えば、年収450万円以上、年間休日120日以上を必須条件に設定した方が、次の2つの求人を見つけたとします。
いずれも架空の求人です。
| 比較項目 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| 年収 | 500万円 | 460万円 |
| 年間休日 | 115日 | 125日 |
| 通勤時間 | 片道30分 | 片道40分 |
| 仕事内容 | 事務職 | 事務職 |
| 在宅勤務 | 週1日 | なし |
A社は希望する年収を上回っていますが、年間休日は必須条件の120日に届いていません。
一方、B社は年収と年間休日の両方を満たしていますが、希望していた在宅勤務制度がないという違いがあります。
この場合、年収500万円以上がどのくらい大切なのか、年間休日120日以上を希望する理由は何か、改めて確認してみましょう。
もし年間休日120日以上が生活上欠かせない条件なら、A社の休日数が希望を満たしていないことは重要な判断材料になります。
反対に、休日数に調整の余地があるなら、勤務時間や休暇の取りやすさなども含めて比較する方法がありますね。
条件がぶつかったときは、どちらの会社が良いかをすぐに決めるのではなく、自分が大切にしたい条件を満たしているか確認することがポイントです。
また、求人票に記載されていない情報は、条件を満たしていると判断せず、確認したい項目として残しておきましょう。
2.希望条件の優先順位を見直す
求人を比較しているうちに、最初に決めた希望条件が変わることもあります。
例えば、在宅勤務を希望していた方が、通勤時間の短い求人を見つけて、出社する働き方も検討できると感じるかもしれません。
反対に、複数の求人を確認するうちに、想像していた以上に仕事内容を大切にしたいと気付く場合もあるでしょう。
転職の軸は、一度決めたら変えてはいけないものではありません。
希望条件を見直す際は、次の項目を確認してみてください。
- 最初に決めた必須条件は今も変わっていないか
- 求人を見て新たに大切だと感じた条件はあるか
- 希望する理由が曖昧になっている条件はないか
- ほかの条件との組み合わせで調整できるものはあるか
ただし、希望する条件を減らすこと自体を目的にする必要はありません。
生活に必要な条件や、自分が大切にしたい働き方を確認しながら、納得できる範囲で見直してみましょう。
3.記入表を使って自分の転職の軸をまとめる
ここまで整理した内容をもとに、自分の転職の軸を記入表にまとめてみましょう。
以下の表を参考に、希望条件・優先順位・希望する理由を書き出してみてください。
| 項目 | 希望条件 | 優先順位 | 希望する理由 |
|---|---|---|---|
| 年収 | |||
| 休日 | |||
| 勤務地 | |||
| 仕事内容 | |||
| 働き方 |
優先順位の欄には「必須」「できれば欲しい」「妥協できる」のいずれかを記入します。
条件が決まらない場合は空欄にしておき、求人を確認しながら追加しても構いません。
表を埋めたら、必須条件だけを抜き出してみましょう。
例えば、「年収450万円以上」「年間休日120日以上」「事務経験を生かせる仕事」の3つが残った場合、これらが求人を探す際の基本的な判断基準になります。
転職の軸は、求人を比較するときに自分が確認できる具体的な言葉でまとめておくと便利です。
4.条件整理に役立つ商品を必要に応じて活用する
希望条件に優先順位を付ける際は、ノートやワークブックを活用する方法もあります。
ここでは、条件整理に役立ちそうな商品を2つ紹介します。
キャリア設計のワークブック
自分が希望する働き方や、今後の仕事について考えたい方には、キャリア設計のワークブックも候補になります。
仕事に対する価値観や希望条件を記入できるものなら、質問に答えながら考えを整理しやすくなると思います。
購入する場合は、自分の経験を振り返るだけでなく、今後の働き方や希望条件について書き込める内容か確認してみてくださいね。
方眼ノート
自分で希望条件の比較表を作りたい方には、方眼ノートも便利です。
年収・休日・勤務地などの項目を分けたり、求人ごとの条件を横に並べたりすると、違いを確認しやすくなります。
また、条件の優先順位を変更した際にも、追加した内容をまとめて残せますね。
ただし、この記事で紹介した記入表や、手元のノート、スマートフォンのメモ機能を使っても希望条件は整理できます。
新たに商品を購入することよりも、自分が使いやすい方法で整理を続けることを大切にしたいですね。
まとめ
転職の軸が決まらないときは、まず希望する仕事内容や勤務条件を書き出し、自分にとって何が大切なのか整理してみましょう。
年収・休日・勤務地・仕事内容・働き方などを「必須」「できれば欲しい」「妥協できる」に分けると、求人を選ぶ際の判断基準が見えてくるかもしれません。
▶本記事の振り返り
- 希望条件を書き出し、なぜその条件を大切にしたいのか考える
- 必須・できれば欲しい・妥協できるの3つに分けて優先順位を付ける
- 全部が必須になる場合は、最低限必要な範囲と希望する範囲を分ける
- 条件がぶつかったときは求人を同じ項目で比較し、必要に応じて希望条件を見直す
すべての希望条件を一度に決める必要はありません。
実際に求人を見ながら考えることで、自分が大切にしたい働き方が具体的になる場合もあります。
まずは年収・休日・勤務地・仕事内容・働き方の5項目から、自分にとって欠かせない条件を1つ選ぶところから始めてみてくださいね。
